聖書講座





田中隆弘神父様のお話

  四旬節第1主日 (マタイによる福音4・1−11) 2月10日福音朗読

 
 〔そのとき、〕イエスは悪魔から誘惑を受けるため、“霊”に導かれて荒れ野に行かれた。
そして四十日間、昼も夜も断食(だんじき)した後(のち)、空腹を覚えられた。
すると、誘惑する者が来て、イエスに言った。「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ。」
イエスはお答えになった。
 「『人はパンだけで生きるものではない。 神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』と書いてある。」
次に、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて、言った。
「神の子なら、飛び降りたらどうだ。
 『神があなたのために天使たちに命じると、
 あなたの足が石に打ち当たることのないように、 天使たちは手であなたを支える』と書いてある。」
イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』とも書いてある」と言われた。
更(さら)に、悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、
「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と言った。
すると、イエスは言われた。「退け、サタン。
 『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』
と書いてある。」
そこで、悪魔は離れ去った。すると、天使たちが来てイエスに仕えた。


 四旬節にあたって

 四旬節を前にして、灰の水曜日の前の2月4日(月)にささやかなカーニバル(*1)をして
みました。
それは、わたしを洗礼にまで導き、またその後、神父になるにあたって推薦者・保証人(?)
になっていただいた恩師の神父さんと、そして、わたしと同様にその神父さんに御恩になった後輩の神父さんとの計3人の夕食会でした。

 師である、現在上野教会の主任神父さんに「何が食べたいか?」とたずねると「イタ飯」と
言われたので、イタリア料理のお店を考えたのですが、いつも自炊生活(*2)で、ほとんど外
食することのないわたしには、何処に行ってよいのかわかりませんでした。

 そこで、もう一人の、もの知りの後輩の神父さんにお任せすると、有楽町にあるイタリア料理の店を予約し、またそこの地図をFAXしてくれました。(後輩の神父さんに感謝!)

 そのFAXしてもらった地図のおかげで、方向オンチのわたしでも有楽町にあるイタリア
料理の店のある目的地のビルに行くことができました。しかし、そのビルの地下1階にあるというので降りて行くと、そこで、また迷子になりそうになってしまいました。でも、そこで地下街の案内地図を見つけ、何とか時間どうりにつくことができました。(2つの地図に感謝!!)

 さて、イエス・キリストはその宣教のはじめに、荒れ野での誘惑にあったと「四旬節第1主日」の福音(マタイ4・1−11)にあります。イエス・キリストはここで、これから自分が歩む日々の目標・目的地・その方向をしっかり見据えます。そして、その方向に少しのぶれもなく見事に歩んで行きました。

 四旬節にあたって、そのイエス・キリストに共にならうことができればと思います。この同じ40日間のあいだに自分自身の心の中心に、イエス・キリストの弟子としてふさわしい目標・目的地・その方向をしっかり見据えてあるかその地図とコンパスを再確認してみましょう。


  

*1 謝肉祭(カーニバル)
カトリック教国で、四旬節の前の3〜8日間行われえる祝祭。四旬節では肉食が禁じられたため、その前に肉食と告別する祭り。 元来は、古代ローマの農耕儀礼に起源をもつとされ、のちに中世ヨーロッパにおいてカトリック教会の 非公式行事として定着した。
 
*2自炊生活
カトリックの神父(司祭)は独身性。そのため現在大多数の教会付神父は自炊生活をしている。


                             

(参考)


■典礼暦年
 教会は毎年、一定の日に、キリストの救いのわざを思い起こして祝います。
毎週、主日と呼ばれる日曜日に主の復活の記念を行い、年に一度、復活祭にはもっとも盛大な祭儀を行います。さらに、1年の周期でキリストの神秘全体を展開するとともに、聖人たちの帰天の日を記念します。

 四旬節
 復活祭前の準備期間を四旬節と呼んでいます。もともとは復活徹夜際に洗礼を受ける志願者たちの準備期間として起こったようですが、教会をあげて復活祭をふさわしく迎えることができるように、祈りと断食(b)に励む習慣も初期の時代から始まりました。主日は復活の記念日として断食をしない習慣だったので、断食日が実際に40日になるように46日前の灰の水曜日(今年は2/6日(水))から四旬節を始めるようになりました。現行の規則では、四旬節は、「聖なる過越の3日間(a)」が始まる主の晩さんの夕べのミサの前で終わります。


(a) 過越しの三日間
 キリストは救いのわざをとりわけその過越の神秘によって成就されました。そのため、キリストが死を「過ぎ越し」て新しいいのちに移られたことを3日間全体で記念する「聖なる過越の3日間」は典礼暦1年の頂点となっています。「聖なる過越の3日間」は、主の晩さんの夕べのミサに始まり、復活徹夜祭を中心として、復活の主日の「晩の祈り」で終わります。
 【聖なる過越の3日間】→今年は 3/20(木)・主の晩餐ミサ 19:00
                 3/21(金)・主の受難ミサ 19:00
                 3/22(土)・復活徹夜祭  19:00
 【復活の主日】    →今年は 3/23(日)・復活の主日ミサ10:00
 
(b) 大斎と小斎 (断食)
 大斎は、1日に1回だけの十分な食事とそのほかに朝ともう1回わずかな食事をとることができ、満60歳に達するまでのすべての成人が守ります。小斎は、肉類を食べないことですが、各自の判断で償いの他の形式、とくに愛徳のわざ、信心業、節制のわざの実行をもって代えることができ、満14歳以上の人が守ります。どちらも、病気や妊娠などの理由がある人は免除されます。大斎と小斎を守る日は灰の水曜日と聖金曜日(復活祭直前の金曜日)、小斎を守る日は祭日を除く毎金曜日です。