聖書講座





田中隆弘神父様のお話
  さくらまつり

 教会の司祭館のうら庭にある梅の木が、そして前の教会からもってきた鉢植えの春咲クリスマスローズと木瓜(ぼけ)がもうすぐ春であることを教えてくれています。そんな中今回、配布されてきた千代田区の区報紙に「千代田のさくらまつり」の案内がありました。「日ざしに映える、満開のさくら。春の訪れはもうすぐです。区内約3,300本のさくらとともにさまざまなイベントをお楽しみください…。」とありました。

 この神田教会に赴任するにあたって、楽しみにしていたことの一つが「千鳥ヶ淵緑道のさくら」でした。いよいよ初めてそれを体験できる訳です。その千鳥ヶ淵緑道ライトアップは328日(金)〜46日(日)だそうです。神田教会のある信者さんの情報によれば夜ざくら観賞はいいですが、たいへんな混雑ということで、人が少ない日中がおすすめということでした。皆さんもできれば日中にどうぞ!と、いってもわたしはとりあえず夜ざくら観賞のたいへんさも味わうつもりですが。

 さて、今回、3,300本のさくらがあると知って、わたしはある絵本を思いうかべました。それはレオ・レオニの「フレデリック」ちょっとかわったねずみのはなし です。

(谷川俊太郎さんの見事な訳もいいのですが、やはりレオ・レオニという絵本作家の「絵かきであると同時に詩人」がみせてくれる世界の豊かさがいいのです。)

 その絵本のなかの主人公のフレデリックというのねずみに、なかまののねずみが

「フレデリック、どうして きみは はたらかないの?」みんなは きいた。

「こう みえたって、はたらいているよ。」と フレデリック。

「さむくて くらい ふゆの ひの ために、

 ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ。」

という箇所があります。この春に、このイースターの時にわたしたちもフレデリックにならい心の中に3,300本のさくらの木の花をいっぱいにすることができれば、と思います。

働くことは大切、大事です。でも、心の中に「ひかりをあつめること」も肝心(かんじん)肝要(かんよう)なことではないでしょうか? それは「ふゆのひ」にきっとわたしたちを支えてくれるものとなるのです。3,300本のさくらがあれば“ころんでもなお花のなか”なのです。

啓蟄の日に

  

「フレデリック、どうして きみは
 はたらかないの?」みんなは きいた。

「こう みえたって、はたらいているよ。」
 と フレデリック。

「さむくて くらい ふゆの ひの ために、 ぼくは おひさまの ひかりを あつめてる んだ。」   





  
  ちょっと かわった のねずみの はなし
      (好学社)
          

 
 
  レオ=レオニ(絵本作家)
  
  谷川俊太郎(訳)