主日(日曜)の聖書



四旬節第2主日 2004,3.7

「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」
(ルカ9・35より)






ルカによる福音 (ルカ9・28b−36)

〔そのとき、〕イエスは、ペトロ、ヨハネ、およびヤコブを連れて、
祈るために山に登られた。

祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた。

見ると、二人の人がイエスと語り合っていた。
モーセとエリヤである。

二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる
最後について話していた。

ペトロと仲間は、ひどく眠かったが、じっとこらえていると、
栄光に輝くイエスと、そばに立っている二人の人が見えた。

その二人がイエスから離れようとしたとき、ペトロがイエスに言った。
「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。
仮小屋を三つ建てましょう。
一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」
ペトロは、自分でも何を言っているのか、分らなかったのである。

ペトロがこう言っていると、雲が現れて彼らを覆った。
彼らが雲の中に包まれていくので、弟子たちは恐れた。

すると、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」
という声が雲の中から聞こえた。

その声がしたとき、そこにはイエスだけがおられた。
弟子たちは沈黙を守り、見たことを当時だれにも話さなかった。









稲川神父様のお話



四旬節第二主日 ルカ4:1〜13

 毎年、四旬節の第二主日にはイエスさまのご変容の個所が朗読されます。
さらに8月6日にはご変容の祝日があり、同じくこの箇所が朗読されます。
一年の間に二回も同じ箇所が朗読されるということはこの出来事がイエスさま
と私たちにとって重大な意味があるからなのです。


 イエスさまは三回に渡って、やがてエルサレムで十字架にかかって死ぬこと、
しかし、それは終わりや失敗ではなく、「主のしもべの道」であり、十字架の死
を通して天の門が開かれ、復活の栄光が現れることを弟子たちだけに話しまし
た。しかし、弟子たちはそれを受け入れることが出来ず、「確かにいろいろな困
難はあるかもしれないが、イエスさまのことだから、大きな奇跡を起こして、
大成功をおさめ、イスラエルの王となり、我々も重要なポストにつけるに違い
ない。厳しいことをおっしゃっているけれど、我々を戒めるために言っておら
れるのだろう」と現実から目をそむけ、自分たちに都合の良いように受け止め、
考えていました。


 この弟子たちの有り様こそ、私たちの信仰とよく似ているのではないでしょ
うか?キリスト教は「愛の宗教」と言われますが、イエスさまの言う「愛」と
は甘い夢やここちよい気持ちを指して「愛」とは言っていません。ザビエルた
ちが日本に来た頃、この国の人たちにとって「愛」は「恋愛」の意味でしか、
理解されていませんでした。それゆえ、ザビエルたちはキリストの言う「愛」
を説明するために「損をすること」「ご大切」というような表現で説明したとい
うことが記録に残っています。


 このような弟子たちに気がついて欲しかったイエスさまは三人の弟子を連れ
て山に登ります。そして、彼らの信仰のために祈ります。祈っているうちにそ
のお姿が変りました。モーセとエリヤを証人としてエルサレムで起こる出来事
の意味が解き明かされます。ペトロたちは驚きと衝撃のために何をしたらよい
のかわかりません。すると、雲の中から声が聞こえてきます。「これは私のあい
する子、これに聞け」と。


 私たちはキリストに尋ねなければなりません。「主よ、私はどうしたらよいの
でしょうか? 私の望みではなく、御父の望みを知り、それを行なうためには
どうすればよいのでしょうか?」と。


 宿題:
 あなたはキリストの言う「愛」をどのようなことばで説明できますか?










四旬節第3主日 2004,3.14

あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる
(ルカ13・3、5より)






ルカによる福音 (ルカ13・1−9)

ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を
彼らのいけにえに混ぜたことをイエスの告げた。

イエスはお答えになった。
「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遇ったのは、
ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。

決してそうではない。
言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。

また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、
エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。

決してそうではない。
言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」

そして、イエスは次のたとえを話された。
「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、
実を探しに来たが見つからなかった。

そこで、園丁に言った。
『もう三年の間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、
見つけたためしがない。だから切り倒せ。
なぜ、土地をふさがせておくのか。』

園丁は答えた。
『御主人様、今年もこのままにしておいてください。
木の周りを掘って、肥やしをやってみます。

そうすれば、来年は実がなるかもしれません。
もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」









四旬節第4主日 2004,3.21

神と和解させていただきなさい
(二コリント5・20より)






ルカによる福音 (ルカ15・1−3、11−32)

〔そのとき、〕徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄ってきた。

すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、
「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。

そこで、イエスは次のたとえを話された。

「ある人に息子が二人いた。

弟の方が父親に、
『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前を下さい』と言った。
それで、父親は財産を二人に分けてやった。

何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、
遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄遣いしてしまった。

何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、
彼は食べるにも困り果てた。

それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、
その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。

彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、
食べ物をくれる人はだれもいなかった。

そこで、彼は我に返って言った。
『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、
わたしはここで飢え死にしそうだ。

ここをたち、父のところに行って言おう。
「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。

もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』

そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。
ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、
走り寄って首を抱き、接吻した。

息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても
罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』

しかし、父親は僕たちに言った。
『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、
手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。

それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。

この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』
そして、祝宴を始めた。

ところで、兄のほうは畑にいたが、家の近くに来ると、
音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。

そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。

僕は言った。『弟さんが帰って来られました。
無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』

兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。

しかし、兄は父親に言った。
『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。
言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会を
するために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。

ところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして
帰ってくると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』

すると父親は言った。
『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。

だが、おまえのあの弟は死んでいたのに生き返った。
いなくなっていたのに見つかったのだ。
祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」









四旬節第5主日 2004,3.28

罪を犯したことのない者がまず、この女に石を投げなさい
(ヨハネ8・7より)






ヨハネによる福音 (ヨハネ8・1−11)

〔そのとき、〕イエスはオリーブ山へ行かれた。

朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、
ご自分のところにやって来たので、座って教え始められた。

そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を
連れて来て、真ん中に立たせ、

イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。

こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。
ところで、あなたはどうお考えになりますか。」

イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。
イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。

しかし、彼らがしっこく問い続けるので、イエスは身を起して言われた。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」

そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。

これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、
イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。

イエスは、身を起して言われた。
「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」

女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。
「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。
これからは、もう罪を犯してはならない。」